EMCエンジニアが活躍する場所(業種)の紹介です。
「EMCエンジニアの分類」という記事の中で、EMCに関わる仕事をする技術者全般をEMCエンジニアと定義し、そのなかでEMCエンジニアが活躍する業種を3つタイプに分類しました。
・EMC試験所
・メーカー
・コンサルタント
今回の記事では、この3つのタイプのうち「EMC試験所」で活躍するEMCエンジニアの仕事内容を紹介します。
EMC試験所の分類
EMC試験所は、出資元によって3つに分類することができます。
・公共試験所
・民間試験所
・メーカー系試験所
それぞれの試験所で求められる専門知識や能力には、ほとんど差はありません。
EMC規格や試験方法の理解。
計測機器の取り扱い。
顧客にテストプランを提案するためのコミュニケーション能力。
これらが、「EMC試験所」の「EMCエンジニア」に求められる主に能力です。
ただし、EMC試験所によって「サイト認証の有無」や「管理体制」は違うので、それによって職場環境は大きく異なります。
では、それぞれの職場で「EMCエンジニア」がどのように活躍しているかを企業の職場紹介のページをもとに見ていきましょう。
公共試験所
公共試験所は、各都道府県に存在する「工業試験所」や「産業技術研究所」のことです。
すべての都道府県にあるわけではありませんが、これらの施設で電波暗室を保有しており、その中で活躍しています。
EMCエンジニアの中で唯一の「公務員」です。
公務員であるがゆえに様々な部署を異動することが多いですが、その中でもEMCは専門性の高い分野であるためEMC一筋で努めている方もいます。
EMCの専門知識はもちろん必要ですが、「研究会」や「技術セミナー」などを通じて地域の方々にとって役立つ技術情報を提供し地域を活性化させる役割も担っています。
民間試験所
規格の「認証機関」を受けるときに利用する「EMC試験サイト」のことです。
認証業務が中心となるため、他のEMCエンジニアと比較し「EMCの規格」や「試験方法」などに精通している方が多いです。
英語で試験レポートを発行することも多いため、語学力が求められることもあります。
「ISO17025」の認定を受けている試験所がほとんどで、業務の運営・管理においてもISOが求める品質を理解して仕事を進める必要があります。
またEMC試験ではセットメーカーの担当者と電波暗室にこもって試験する機会も多いので、ある程度のコミュニケーション能力も求められます。
メーカー系試験所
セットメーカーの1部門、あるいは子会社として運営されている試験所です。
自社の製品の試験が中心ですが、外部の企業からも利用されています。
「民間試験所」と同等か、それ以上(車載試験においては仕向メーカーごとに規格が異なる)の「EMCの規格」「試験方法」の専門知識が求められます。
【職員インタビュー】
「メーカー系試験所」の母体となるセットメーカーは、基本的に大企業です。
大企業ならではの特徴として、「福利厚生」や「教育制度」が充実していることが挙げられます。
一方で、管理体制は他の試験所よりも厳しいことが多いので、組織の一員として働く高い意識が求められます。
おわりに
「EMC試験所」のエンジニアにフォーカスを当てて、仕事内容を紹介しました。
今回紹介した内容が全てに当てはまるわけではありませんが、おおよその傾向として捉えていただけるとその違いがわかるかと思います。
EMCエンジニアの活躍の場は「EMC試験所」以外にも、「メーカー」や「コンサルタント」などもあります。
EMCエンジニアとして活躍するためには「iNarte EMC エンジニア」の資格が、一定のステータスとなります。
特に今回紹介した「EMC試験所」においては、「iNarte」資格を持っているかどうかで試験員としてレベルをはかられることも多いため必須の資格と言えます。
資格の概要、および勉強方法については、別の記事で紹介しているので、是非チェックしてみてください。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
いつも拝読しています。
私はメーカー系試験所と民間試験所で働いた経験があり、本記事を見て私のやっていた仕事が簡潔に紹介されていて、感動したのでコメントしました。
今後も本サイトの更新を楽しみにしてます!
コメントいただき、ありがとうございます。
試験所の仕事を人に説明するのって、非常に難しいですよね。
今回の記事でも全て説明しきれたわけではありませんが、
少しでも多くの方にEMCエンジニアの仕事を知ってもらえればと思っております。
EMCエンジニアの仕事に関する記事は、継続的に投稿していくつもりですので
引き続き、よろしくおねがいしますm( _ _)m