Analog Discovery

オペアンプを徹底解説しました【トランジスタ技術2022年12月号】

トランジスタ技術2022年12月号(通巻699号)でオペアンプの特集記事を執筆したので、記事の狙いや実験に使用する機材などを紹介します。

動画はこちら↓

 

特集のねらい

今回の特集では「たくさんの失敗とともに手を動かして学ぼう!」というコンセプトのもと、座学だけでなく回路シミュレータによる設計とブレッドボードを使った製作に取り組める内容となっています。

アナログ回路をはじめとして電気・電子回路を難しく感じてしまう理由の一つとして、理論と実践が紐づきづらいことが挙げられます。

特に初心者のうちは、数式だけでは実際の回路が想像できないために難しく考えてしまいがちですが、実践的な理解を深めるために最も大切なことは「体験」と「失敗」です。

そのため今回の特集においては読んで終わりにするのではなく、ぜひ自分自身の手を動かしてたくさん失敗しながら、アナログ回路についての理解を深めていただきたいです。

上級者でも失敗します

実際にわたしも執筆にあたって色々な実験をしましたが、本当に簡単な回路であっても配線を間違えたり、部品の定数を間違えたりと様々な失敗を犯しました。

ただ失敗するというのは決して悪いことではなく、そこから原因を追求していくことで回路の本質を理解するためのきっかけとなります。

最近は小さな失敗すら中々許容されない風潮がありますが、今回の実験については誰にも怒られたりはしないので、ぜひたくさん失敗しながら自分なりの理解を追求してください。

 

 

回路シミュレータ

実践の設計では「QucsStudio 」を使用しています。

QucsStudioは無料で使える高周波用の回路シミュレータです。

今回の特集の内容では特に高周波は関係ありませんが、日頃から使い慣れているということでQucsStudioを使って説明しています。

無料の回路シミュレータとしては有名な LT Spiceを使っても同様のことができるので、お好みに応じて使い分けてください。

ただし特集の終盤でオペアンプを使ったアクティブフィルタを設計しますが、このときには QucsStudioのFilter synthesisというツールを使うため、この部分だけは LT Spiceで再現することはできません。

QucsStudioの使い方については別の書籍でも解説しているので参考にしてみてください。

 

 

電子部品

回路の製作については、基本的にブレッドボードを使って回路を組みます。

ブレッドボードについては小さいタイプのものでも構いませんが、大きめのブレッドボードがあると回路を製作しやすいです。

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オペアンプ

今回のメインパーツであるオペアンプについては低価格で、かつ入手性の良いものとして「NJM741D」をメインで使用しています。

このオペアンプは秋月電子で1個あたり40円程度で入手可能です。1回路入りの汎用オペアンプで、パッケージもDIPなのでブレッドボードで使いやすい部品です。

またその他にも高速オペアンプとして「LM318」、2回路入りオペアンプとして「NJM4580」、単電源オペアンプとして「NJU7031」を使用しています。

いずれも通販サイトから簡単に購入できるので、記事を読み進める中でデバイスの違いについても学んでみてください。

受動部品

その他には抵抗とコンデンサを使用します。

いずれもお手持ち部品を使用しても大丈夫ですが、部品の許容差によって回路のゲインの精度が変わってしまうため注意が必要です。

抵抗の場合は炭素皮膜抵抗ではなく、金属皮膜抵抗の方が好ましいです。

コンデンサについては、主に0.1uFの積層セラミックコンデンサと10uFの電解コンデンサを使用しています。

コンデンサは精度の高いものを入手するのは難しいので、以前紹介した部品テスターなどを使って部品を選別すると精度の高い実験ができます。

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電源

オペアンプを使用する場合には安定化電源ではなく、両電源と呼ばれるプラスとマイナスの2極の電源が必要になります。

こちらも以前紹介した両電源モジュールを使うと、簡単に両電源を供給できます。

オペアンプの実験に最適な正負電源モジュール【4選】この記事では、Amazonで購入可能な正負電源モジュールを4つ紹介しています。 動画はこちら↓ https://youtu....

両電源モジュールには固定電圧と可変電圧の2つのタイプが存在しますが、実験用として考えるなら可変タイプの両電源モジュールが使いやすいです。

 

 

計測器

実験に欠かすことのできない計測器については、オペアンプに信号を入力するための信号発生器と波形を観測するためのオシロスコープが必要になります。

この2つの計測器は別々に準備してもよいですが、万能計測器「Analog Discovery2」を使用すると信号の入出力の制御がソフトウェア上で完結するため、非常にスムーズに実験を進めることができます。

Analog Discovery 2 が万能すぎる!この記事ではわたしが日頃から愛用している計測器「 Analog Discovery 2」について紹介します。 動画はこちら↓ ...

同様の計測器としてアナログ・デバイセズが販売している「ADALM2000」もあります。

こちらもソフトウェア上で信号発生器とオシロスコープの制御が同時に行えるようになっていて、かつ価格も Analog Discovery2よりは安いです。

 

 

おわりに

今回はトラ技12月号の特集記事の狙いや機材について解説しました。

オペアンプを使ったアナログ回路は、特に電子回路初心者の方にとって難所の1つと言えるところですが、回路設計や製作を通じて難しくないということを体験していただければ非常に嬉しいです。

たくさんの失敗があるかと思いますが、その失敗を自分自身の糧として理解を深めていくのがステップアップするための近道です。

ぜひ本書とともに自分の手を動かしながら、実験にチャレンジしてみてください。

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今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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