抵抗は汎用的な電子部品ということもあり、その役割は多岐にわたります。
そこで今回の記事では、回路中における抵抗の代表的な役割を4つ紹介します。
抵抗の役割
回路中の抵抗の主な役割は「電流制限」「分圧」「発熱」「ノイズ対策」の4つです。
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電流制限
電流制限抵抗は、定格以上の高い電流が流れないようにするための抵抗になります。
最もわかりやすい例としては、マイコンでLEDを点灯する際に、回路に直列に接続する抵抗がこの「電流制限」にあたります。
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マイコンは基本的に10mA程度の電流しか流すことができません。
マイコンとLEDを直接接続した場合、他に電流を妨げるものがない(R≒0Ω)ため、定格以上の電流を流そうとしてマイコンが破損します。
このような故障を防ぐために、マイコンの出力端子には過電流を防止するための抵抗を直列に接続する必要があり、この抵抗を電流制限抵抗と呼びます。
分圧
分圧は、一定の電圧を得るために複数個組み合わさった抵抗回路になります。
オペアンプの入力回路に付与されるバイアス回路が分圧抵抗にあたります。
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この回路において、R3とR4は抵抗値(100kΩ)が等しいため、電源電圧(5V)に対して抵抗間の電圧は 2.5V となっています。
このように抵抗を組み合わせることで、元の電圧から別の電圧を作ることができます。
ただしここで作られる電圧は、あくまでも一定の電圧を掛けることが目的で、負荷を接続して電流を流すことはできません。
負荷に対して電圧を供給する場合には、リニアレギュレータやスイッチングレギュレータを使用する必要があります。
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発熱
抵抗の発熱は、多くの回路において消費電力の増加につながるため敬遠されますが、ヒーターやドライヤーといった熱を必要とする用途では、電気を熱に変換するという抵抗の性質を活かすことができます。
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これらの用途においては、できるだけ多くの電流を流せる必要があります。
そのため電力容量の大きい巻線型の抵抗が使用されます。
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ノイズ対策
ノイズ対策においては、インピーダンスマッチングやフィルタとして利用されています。
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いずれの用途においても、抵抗の役割としては波形をなまらせることです。
詳細は以下の記事からご確認ください。
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おわりに
今回は抵抗の4つの用途について解説しました。
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ここで紹介した以外にも探せば色々な役割が出てきますが、まずはこの4つの役割を抑えておけば、回路図を見たときに抵抗がどのように機能しているか推測できるようになるはずです。
抵抗の選び方はこちら↓
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またこの記事の途中で使用した回路シミュレータが使えるようになると、回路に対する理解が飛躍的に高まります。
回路シミュレータは一見すると難しそうに見えますが、実はそれほど難しくありません。
以下の記事で、無料の回路シミュレータの導入方法を紹介しているので是非チャレンジしてみてください。
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今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。