抵抗には様々な種類が存在し、実際に使用する上ではどの種類がいいのか判断するのはそれほど簡単ではありません。
そこで今回の記事では、表面実装型の抵抗のそれぞれの特徴について解説します。
部品を選定する上で参考にしてみてください。
抵抗の分類
表面実装タイプの抵抗は、抵抗体の種類によって「厚膜」「薄膜」「金属板」の3つのタイプに分類することができます。
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この分類は必ずしも厳密なものではありませんが、ここではこの分類をもとに表面実装型の抵抗のそれぞれの特徴を解説します。
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厚膜チップ抵抗
厚膜チップ抵抗は、表面実装型の抵抗の中で最もメジャーな部品です。
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構造
厚膜チップ抵抗は、メタル・グレーズ膜と呼ばれる金属皮膜が使用されており、被膜の厚みが数μm程度と厚いことから、厚膜と呼ばれています。
構造としては、セラミック基板に抵抗膜を形成し、その後に一部をトリミングすることで抵抗値が調整できるようになっています。
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長所
スクリーン印刷で一気に大量生産できるため、非常に安価です。また最も汎用的ということもあって、定数やサイズは様々なバリエーションが存在します。
短所
抵抗値が小さい(10Ω以下)や大きい(1MΩ以上)のタイプは、温度係数が大きい傾向にあるため、温度によって抵抗値が変化しやすいです。また内部電極に銀が使用されているため、ガス雰囲気中で使用すると硫化して断線することがあります。
詳しくはロームのサイトが参考になります。
用途
厚膜チップ抵抗を細かく分類すると「汎用」「高精度」「耐パルス」「高耐圧」「耐硫化」などのタイプが存在します。そしてこれらのタイプを使い分けることで、定電圧系の回路であれば、ほとんどの回路(90%以上とも言われています)に使用することができます。
薄膜チップ抵抗
薄膜チップ抵抗は、高い精度が要求される回路に使用される抵抗です。
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構造
見た目は厚膜チップ抵抗とほとんど同じですが、抵抗体が異なります。薄膜チップ抵抗は、セラミック基板に金属合金を真空蒸着することで抵抗膜を形成しています。そしてこの抵抗膜は、厚みが数nm程度と非常に薄いことが特徴です。
長所
薄膜チップ抵抗は、抵抗値の許容差(±1%以下)と温度係数が非常に小さいことが長所として挙げられます。また抵抗値の経年変化も小さいです。
短所
厚膜抵抗と比較すると、抵抗値の範囲が狭く、高い抵抗値は苦手とされています。また定格電力も小さいものが多いです。
用途
アナログ回路などの高いか精度が要求される回路で使用されます。また電流雑音も小さいため、小信号のセンシング用途に最適です。
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金属板チップ抵抗
金属板チップ抵抗は、低抵抗で有ることに特化した抵抗です。シャント抵抗や電流検出用チップ抵抗とも呼ばれます。
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構造
金属板チップ抵抗は、金属板を抵抗体として用いた構造となっています。
長所
金属板を用いるため、他の抵抗と比較して低い抵抗値が容易に得られ、1mΩ以下の抵抗値のものもあります。また熱容量も大きいため、大電流を流すことも可能です。
短所
厚膜チップ抵抗と比較すると、非常に高価です。
用途
金属板チップ抵抗は、電源回路における過電流検出や電流管理のために使用されています。いずれの用途においても抵抗値が非常に小さいため、電力損失を最小限に抑えることが可能です。
おわりに
今回は、表面実装型の抵抗の特徴について解説しました。
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表面実装型の抵抗は、それぞれ特徴がかなり違っているため、その違いが理解できれば使い分けることはそれほど難しくありません。
リード付きや巻線型の抵抗についても、それぞれの特徴を解説しているので、そちらの記事もチェックしてみてください。
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実際の回路における使い分け方については「基本電子部品大事典」が参考になります。
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抵抗に限らず、様々な電子部品の特徴や使い方が多くの図とともに解説されているので、まさに日頃の業務の中で辞書として使うのに最適な一冊です。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。