電気回路

電子負荷とは?

この記事では、電子負荷の役割と種類について解説しています。

 

 

電子負荷とは

負荷とは、電気回路においてインピーダンスを持つ回路素子のことを指します。

このインピーダンスを持つ回路素子については、抵抗素子を使用することが一般的です。

一方で、抵抗素子は基本的にインピーダンスが一定であるため、様々な条件で電気回路を動作させたい場合にはやや不便です。

そのため、様々な条件で電気回路の動作検証する場合には、負荷のインピーダンスを電子的に制御可能な電子負荷を使用します。

この電子負荷においては、抵抗素子の代わりに半導体素子を使用することで回路に流れる電流値、つまり負荷の抵抗値を調整できるようになっています。

こうした電子負荷の特徴を生かして、電源回路やバッテリー回路などにおいて様々な負荷条件で動作検証・性能試験を行うことができます。

 

電子負荷の原理

電子負荷の原理を内部の回路をもとに解説します。

回路構成

電子負荷の回路は、主に電流検出用のシャント抵抗、負荷とそして働くMOSFET、負荷を制御するオペアンプによって構成されます。

この電子負荷の回路においては、オペアンプのイマジナリショート(仮想短絡)が重要な役割を果たします。

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そしてオペアンプの回路構成としては、ボルテージフォロワのように入力電圧に追従するよう出力電圧が調整されます。

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動作方法

上図の回路では、オペアンプの非反転入力端子に基準電圧を接続し、反転入力端子にシャント抵抗の電圧を接続することで、シャント抵抗に一定の電流が流れ続けるようになります。

つまり、定電流負荷として動作するということです。

ただし実際のオペアンプは、電子負荷として動作させるような大きな電流を流すことはできないため、オペアンプの出力に負荷電流を流すためのFETやパワートランジスタなどの半導体素子を接続します。

この回路で基準電圧を変更すると、イマジナリーショートの性質を維持するようにオペアンプの出力が変化します。

 

 

電子負荷の動作モード

電子負荷では、電子的な制御を加えることにより様々な動作モードが存在し、ここでは代表的な4つの動作モードを紹介します。

定電流モード(CC:Constant Current)

定電流モードは、負荷に一定の電流を流し続けるように動作します。(先ほどの動作原理で紹介した回路も定電流モード)

これは例えば、一定の光量で光らせ続けるようなLED電源の試験などに使用され、LEDの素子数(Vf)によって明るさが明るさが変化しないかを検証することができます。

またバッテリー回路においては、急速充電を模擬する場合にも使用されます。

定電圧モード(CV:Constant Voltage)

定電圧モードは、負荷に一定の電圧が掛かり続けるように動作します。

電源回路においては、電子負荷が引き込む電流値が変化しても電圧降下を起こさない、あるいはリップルを生じさせないかを検証するために用いられます。

定抵抗モード(CR:Constant Resistance)

定抵抗モードは、負荷が一定の抵抗値となるように動作します。

抵抗負荷を使用しているような、オームの法則に基づいた動作検証を行うことができます。

定電力モード(CP:Constant Power)

定電力モードは、負荷に一定の電力が掛かり続けるように動作します。

この定電力モードでは、例えば電圧が高くなると電流値が小さくなり、反対に電圧が低くなると電流値が大きくなります。

 

おわりに

今回は、電気回路の試験で欠かすことのできない電子負荷について解説しました。

電子負荷は、電気回路の中でも特に電源回路・バッテリー回路などの動作検証には必ずと言ってよいほど必要となる計測機器です。

試験を安全に実施するためにも、動作モード・回路構成についてもキチンと理解しておいてください。

 

今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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