エミッション試験で目にする機会が多い「CISPR規格」。
しかし、日頃エミッション試験で適用している規格以外はどういった規格があるのかあまり知らないという方も多いと思います。
そこで、今回はCISPR規格の一覧表をまとめてみました。
iNarte資格試験対策として、ご活用ください。
CISPR16シリーズ 基本規格
CISPR規格において、「CISPR16シリーズ」は他の規格と種類が異なります。
基本規格と呼ばれるもので、EMC試験で使用する機器や試験方法などを規定しています。
EMC規格の体系EMC規格の体系(基本規格、共通規格、製品群規格、製品規格)について紹介しています。...
まずはここをしっかり抑えておきましょう。
CISPR16 | 無線妨害およびイミュニティの測定装置ならびに測定方法のための仕様 |
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CISPR16-1-1 | 無線妨害とイミュニティの測定装置 – 測定装置 |
CISPR16-1-2 | 無線妨害とイミュニティの測定装置 – 補助機器 – 伝導妨害 |
CISPR16-1-3 | 無線妨害とイミュニティの測定装置 – 補助機器 – 妨害電力 |
CISPR16-1-4 | 無線妨害とイミュニティの測定装置 – 補助機器 – 放射妨害測定用アンテナおよび試験サイト |
CISPR16-1-5 | 無線妨害とイミュニティの測定装置 – 5 MHz~18 GHzのアンテナ校正サイト及び基準試験サイト |
CISPR16-1-6 | 無線妨害とイミュニティの測定装置 – EMCアンテナの校正 |
CISPR16-2-1 | 妨害及びイミュニティ測定方法 – 伝導妨害の測定 |
CISPR16-2-2 | 妨害及びイミュニティ測定方法 – 妨害電力の測定 |
CISPR16-2-3 | 妨害及びイミュニティ測定方法 – 放射妨害の測定 |
CISPR16-2-4 | 妨害及びイミュニティ測定方法 – イミュニティの測定 |
CISPR16-2-5 | TR 物理的に大型の機器により発生する妨害エミッションの現地測定 |
CISPR16-3 | TR CISPR技術報告書 |
CISPR16-4-1 | TR 不確かさ、統計および限度値モデリング – 標準EMC試験の不確かさ |
CISPR16-4-2 | 不確かさ、統計および限度値モデリング – 測定装置の不確かさ |
CISPR16-4-3 | TR 不確かさ、統計および限度値モデリング – 大量生産製品のEMC適合性の決定における統計的考察 |
CISPR16-4-4 | TR 不確かさ、統計および限度値モデリング – 無線サービスのための苦情の集計および限度値計算のための1つのモデル |
CISPR16-4-5 | TR 不確かさ、統計および限度値モデリング – 代替試験方法を使用するための条件 |
「CISPR16-1シリーズ」と「CISPR16-2シリーズ」の概要について、下記の記事で紹介しています。興味のある方はチェックしてみてください。
CISPR16の概要
CISPR規格における基本規格となる「CISPR16」。
基本規格とは、製品規格、製品群規格、共通規格のもとと...
CISPR16 以外の一覧
いわゆる「製品群規格」と呼ばれるものが大半を占めます。
CISPR11 | 工業用、科学用および医療用機器(ISM機器) – 無線周波妨害特性 – 限度値と測定方法 |
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CISPR12 | 車両、ボートおよび内燃機関 – 無線妨害特性 – 非搭載受信機の保護のための限度値と測定方法 |
CISPR14-1 | 家庭用機器、電動工具および類似の器具のための要求事項 – 第一部:エミッション |
CISPR14-2 | 家庭用機器、電動工具および類似の器具のための要求事項 – 第二部:イミュニティ – 製品群規格 |
CISPR15 | 電気照明と類似機器の無線妨害特性の限度値と測定方法 |
CISPR17 | 受動EMCフィルタの抑圧特性の測定方法 |
CISPR18-1 | TR 架空送電線と高電圧機器の無線妨害特性 第一部:現象の説明 |
CISPR18-2 | TR 架空送電線と高電圧機器の無線妨害特性 第二部:測定方法と限度値を決定するための手順 |
CISPR18-3 | TR 架空送電線と高電圧機器の無線妨害特性 第三部:無線雑音の発生を最小化するための実施規定 |
CISPR20 | ラジオ、テレビ放送受信機および関連機器 – イミュニティ特性 – 限度値と測定方法 |
CISPR24 | 情報技術機器 – イミュニティ特性 – 限度値と測定方法 |
CISPR25 | 車両、ボートおよび内燃機関 – 無線妨害特性 – 搭載受信機の保護のための限度値と測定方法 |
CISPR28 | TR 工業用、科学用および医療用機器(ISM機器) – ITUに指定された帯域内のエミッションレベルのための指針 |
CISPR29 | TR テレビ方法受信機および関連機器 – イミュニティ特性 – 客観的画像評価方法 |
CISPR30-1 | TR 電磁エミッションの試験方法 – 第一部:片口金蛍光ランプおよび直管蛍光ランプの電子安定器 |
CISPR30-2 | TR 電磁エミッションの試験方法 – 第二部:蛍光ランプを除く放電ランプの電子安定器 |
CISPR31 | TR 無線サービスの特性のデータベース |
CISPR32 | マルチメディア機器の電磁両立性 – エミッション要求事項 |
CISPR35 | マルチメディア機器の電磁両立性 – イミュニティ要求事項 |
TR:技術報告書
ITU:国際電気通信連合
個別の規格については、いくつか記事で紹介しています。
CISPR15の概要
今回はCISPR15について解説します。
適用範囲
CI...
CISPR32(VCCI規格)
VCCI規格の概要
EMI試験といえば、VCCI規格と思っている方も多くいるかと思います。
それだけ日本のEMI試...
CISPR35
CISPR35(マルチメディア機器のイミュニティ規格)の概要紹介CISPR35規格の概要のうち、特に従来規格との違いを中心に紹介しています。...
おわりに
改めて一覧としてみてみると、そんな規格もあったんだとなという発見につながります。
試験対策としてすべてを覚える必要はありませんが、いつでも参照できる準備は必要です。
今回の記事をPDF化したり、エクセルシートにコピーしたりするなどしてご活用ください。
「IEC61000シリーズ」も一覧表を用意しています。
【便利】IEC61000シリーズ 一覧iNarte資格試験対策として「IEC61000シリーズ」の一覧表を作成したので、是非活用してください...
是非、チェックしてみてください。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
EMCに関してホームページを参考させて頂いており、大変助かっております。
突然で恐縮ですが、EMC試験に関しての研修を計画しているのですが、下記の問い合わせに関して回答を頂けると助かります。
1.EMI試験規格である「電源高調波」、「電源電圧変動、フリッカ」が、県が運営してます技術試験所でできないといわれてしまいました。この規格が改訂された際に破棄したそうですが、認証を取る場合、現在はどのような状況でしょうか?
2.県が運営してます技術試験所にて試験機の操作などを教育する場合、どのようなEUTであれば理想でしょうか?
以上、お忙しいとは思いますが、何卒ご指導お願い致します。
umetsu様
コメントありがとうございます。
EMC試験の研修って参加者のレベルに合わせて開催する必要があるため大変ですよね。
ご質問の件ですが
1.規格が改定されたとのことですが、どのような機器なのでしょうか?
一概に規格と言っても機器によって適用規格が異なります。
詳細は存じませんが、恐らく試験機関に一度ご相談してみるのが良いかと思います。
(相談であれば無料で応じてくれるかと思います。)
2.各県が運営している試験所での研修であれば、パソコンなどの情報機器がわかりやすいのではないでしょうか?
日本国内ではEMC試験といえば「VCCI規格」が一般的なので、それに適応する機器が無難かと思います。
ただし、日頃Umetsu様が携わっている機器が大きく異なるようなら慣れた機器で研修するのもよいかと。
ご参考いただければ幸いです。