コンデンサ

コンデンサの適切な選定手順

コンデンサは種類や型式が多すぎて、選ぶの難しい部品です。そこで今回の記事では、回路設計の初心者の方向けに、コンデンサの選び方を以下の順に沿って紹介します。

  1. 極性
  2. 定格電圧
  3. 耐電圧
  4. 静電容量
  5. 材質
  6. 形状とサイズ
  7. 温度特性

動画はコチラ↓

 

極性

まずはコンデンサを安全に使用することが大切です。そこで重要となるのが「極性」「定格電圧」「耐電圧」で、この中で「極性」は最初に確認しておく必要があります。

例えば、DC回路にコンデンサを使用する場合「+」と「ー」の極性が存在しますが、AC回路に使用する場合は「+」と「ー」が常に入れ替わるため極性は存在しません。

そのためAC回路に極性のあるコンデンサ(電解コンデンサなど)使用すると、逆向きの極性の電圧が印加されることでコンデンサが故障し、最悪の場合には事故に発展することもあります。そのため、如何なる理由があろうともコンデンサの極性は間違えないように注意する必要があります。

極性を持つコンデンサをAC回路に使用しない

 

定格電圧

極性と同様に「定格電圧」も安全に使用するためには重要なパラメータです。

回路に印加される電圧に対して、ある程度マージンを持ったスペックのものを選ぶことが一般的です。マージンをどの程度持つかは回路によりますが、1.5倍~2倍程度あれば安心して使用できます。

回路電圧に対して、1.5~2倍の定格電圧を持つコンデンサを使用する

 

耐電圧

安全性の最後は「耐電圧」です。耐電圧には「直流電圧の耐電圧」と「交流電圧の耐電圧」があります。

部品の印字に直線のバーがあるものが直流の耐電圧を示したもので、波線は交流の耐電圧を示します。使用する回路、あるいは機器の仕様に合った耐電圧のものを選びましょう。

機器の仕様に合った耐電圧のコンデンサを使用する

 

静電容量

次ににコンデンサのメインのパラメータである「静電容量」を確認します。コンデンサの用途としては、整流回路、フィルタ回路、共振回路など様々です。

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それぞれの回路で重視されるパラメータは異なりますが、共通して重要なパラメータが「容量」です。

整流回路であれば、リップルを許容範囲に収めるために必要な容量

フィルタ回路や共振回路は、共振周波数を指定の範囲に収めるために必要な容量

推奨回路がデータシートに記載されている場合は、そちらを真似してみても良いと思います。

 

材質

これまでのパラメータが決まっていれば、ある程度「材質」は絞られてきているかと思います。例えば、極性がある場合は「電解コンデンサ」。極性がない場合は「セラミックコンデンサ」や「フィルムコンデンサ」といった感じです。

コンデンサの種類については、以下の記事でそれぞれの特徴を解説しています。

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セラミックコンデンサとフィルムコンデンサでは、定格電圧や静電容量の範囲が異なります。小さな容量の場合は「セラミックコンデンサ」、大きな容量の場合は「フィルムコンデンサ」を使用することが多いです。

また「セラミックコンデンサ」はDC電圧をかけると容量が変化する「DCバイアス特性」が大きいため、バイアスTなどの回路に使用する場合は「フィルムコンデンサ」の方が適しています。

一方で「セラミックコンデンサ」はESR(寄生抵抗成分)が小さいので、ノイズ対策としてデカップリング回路に使用する場合は最適です。

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形状とサイズ

基板に実装するために「形状」と「サイズ」を選びます。

形状は「リード付き」か「表面実装」のどちらかを選びます。このあたりはコンデンサ単体ではなく、基板としてあらかじめ決まっていることが多いかもしれません。

電解コンデンサの形状例電解コンデンサの形状例 出典:ニチコン

 

フィルムコンデンサの形状例フィルムコンデンサの形状例 出典:パナソニック

 

セラミックコンデンサの形状例セラミックコンデンサの形状例 出典:村田製作所

 

温度特性

用途によっては、高温あるいは低温で使用することもありますが、コンデンサは温度依存性を持った素子なので、温度によって容量が変化します。

そのため使用温度範囲が広い場合には、温度補償タイプのコンデンサを使用する必要があります。

セラミックコンデンサは温度特性によって、グレードが分類されています。

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分類方法は日本工業規格(JIS)とアメリカ電子工業会(EIA)によって決められており、温度特性記号で見分けられるようになっています。

 

おわりに

回路設計初心者の方向けにコンデンサの選び方について紹介しました。

ノイズ対策という観点で見ると「形状」や「ESR」にこだわって選ぶべきですが、それはある程度慣れてきてからでもいいと思います。まずは自分の中で「この回路」あるいは「この用途」であれば「このコンデンサ」という感覚がつかむことが大切です。

コンデンサの用途は、以下の記事で解説しています。

コンデンサの用途【シミュレーション】この記事では3つの回路を例にして、回路中でコンデンサがどのように機能しているかを解説します。 動画はコチラ↓ https:/...

コンデンサも含めた電子部品の基礎知識については、電子書籍で解説しています。

電子部品の基本が理解できる入門書抵抗・コイル・コンデンサの基礎知識が学べる書籍を出版しました。 動画はこちら↓ 概要 本書は、抵抗・コイル・コンデンサ...

各部品の基礎知識が体系立てて理解できる内容となっているので、興味のある方はチェックしてみてください。

 

今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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エンジャー
EMCやノイズ対策に関する情報発信を日々行っています。 ( iNarte EMC Engineer、第一級陸上無線技術士)

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