EMI試験を行っていると、規格の限度値で「dB〇〇」という単位が出てきます。
➀ 放射エミッション(電界強度)の場合は「dBμV/m」
➁ 伝導エミッションの場合は「dBμV」
➂ 磁界エミッションの場合は「dBμA/m」
それぞれの単位の先頭に「dB」が付いています。
この「dB」を使う意図について、考えてみます。
dBの読み方
最も基本的なところから。
「dB」は、「デシベル」や「デービー」と呼びます。
よくある会話としては、ノイズ対策を行っているときに「あと6dB(デービー)下げないとダメなんだ」といった具合です。
では、このときの「6dB下げる」とは具体的にどの程度のレベルなのでしょうか?
dBとは対数
dBとは対数を単位にしたものです。
対数というと難しいように感じますが、EMI試験の場合では「基準の単位に対して10の何乗倍」かを表したものになります。
つまり、先ほどの➀の場合
「dBμV/m」は電界強度の単位である「V/m」に対して、基準の単位を「μV/m」としたときの大きさを示したものになります。
dBの計算例
先ほどの例で「6dB下げる」という場合、以下の計算式から求まります。
6dB = 20 * LOG 10 ( x )
x = 10 ^ (6/20)
= 10 ^ 0.3
≒ 2
つまり 6dB というのは、2倍 あるいは 1/2倍を意味します。
これは覚えておくと非常に便利です。
その他にも
- 10dB ≒ 3倍 または 1/3
- 12dB ≒ 4倍 または 1/4
- 14dB ≒ 5倍 または 1/5
- 17dB ≒ 7倍 または 1/7
- 20dB = 10倍 または 1/10
というように覚えておくと、ノイズ対策時にどの程度レベルを下げなければならないかイメージできます。
dBを使うメリット
dBを使うことで、桁の異なる数値同士を簡単に計算することができます。
dBを使う場合、実数の掛け算が足し算に、割り算が引き算になります。
実数 200 μV/m ÷ 2 = 100 μV/m
対数 46 dBμV/m – 6 dB = 40 dBμV/m
上の例は簡単な計算ですが、より複雑な数値で計算するときには
足し算や引き算の方が簡単に計算できるので便利です。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
デシベルは一見難しそうですが、一度理解すると非常に簡単に計算できるようになります。
iNarteを目指す方も、計算問題を解くために今一度復習してみてください。
今回は以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
dBを使うメリット…全音がほぼ1dB(1.024dB)なので直感でとらえやすいというのも有りますよね。
ピアノなら黒鍵が間に有る場合は白鍵と白鍵の間が、ギターなら2フレットがほぼ1dB
1.5倍の周波数の音を出すのは7フレットなので3.5dB
1.2倍なら3フレットで1.5dBとかね。