計測器

RFアンプとは

高周波用のアンプ「RFアンプ」は、高周波の電力を増幅するものとして受信機や送信機の回路で使用されています。

そこで今回はそんなRFアンプの「種類」や「特性の定義」について解説します。

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RFアンプとは

そもそもRFアンプと普通のアンプは何が違うのでしょうか?

一般的なアンプは入力電圧を増幅して出力するものですが、RFアンプでは「電圧」ではなく「電力」を増幅するものとなります。

ここで言う電力の増幅とは、直流の電力を使って高周波の電力を増幅するという意味です。

従って直流の電力をロス無く高周波の電力に変換できるものが効率の良いRFアンプで、効率の良いRFアンプほど発熱が小さくなります。

 

RFアンプの種類

そしてそんなRFアンプは、高周波回路のうち送信回路に使うか、受信回路に使うかで2つの種類に分類されます。

送信回路に使われるRFアンプは「パワーアンプ(PA)」と呼ばれ、受信回路に使われるRFアンプは「ローノイズアンプ(LNA)」または「プリアンプ」と呼ばれます。

パワーアンプとプリアンプ、それぞれ使用される回路が異なるということで、その特徴にも違いがあります。

パワーアンプ

パワーアンプは送信側のアンテナ直下で使われ、パワーアンプの出力がアンテナの電界強度に直結するため、何よりもまず高い増幅度が必要とされます。

そして高い増幅度を得るためには、それなりに大きな電力を消費しますが、アプリケーションによっては電池駆動のものなどもあり、低消費電力であることも重要となります。

加えて、入力電力が高い場合や変調度の大きい信号の場合には出力波形が歪むこともあるため、波形の歪みが小さいことも重要な特性となります。

プリアンプ

プリアンプは受信側のアンテナの直下に使われ、信号がフロアノイズに埋もれてしまわないよう、アンプそのもののノイズ(内部の熱雑音など)が小さいことが何よりも重要な特性となります。

また小さな信号を拾うためには増幅度も重要です。

せっかく自身のノイズが小さくても、信号を復調できるレベルまで増幅できていないと結局のところ意味がありません。

つまりプリアンプでは、自身のノイズの小ささと増幅度の両立が重要となります。

 

特性の定義

RFアンプの主な特性としては「増幅度(ゲイン)」「雑音指数(NF)」「1dBコンプレッション」の3つの特性があります。

増幅度(ゲイン)

増幅度(ゲイン)は、RFアンプの最も基本的な特性で、入力電力と出力電力の比

G = 10 * Log10 (Pout / Pin) [dB] としてデシベルで表されます。

広帯域で使用する場合には周波数特性、いわゆるゲイン・フラットネスが重要です。

周波数特性は横軸周波数、縦軸ゲインとして表され、特定の周波数範囲において±○dBの中に収まっているかどうかで性能の善し悪しを判断します。

多くのRFアンプのデータシートでは、代表値として特定の周波数におけるゲインが記載されていますが、それと合わせて周波数特性のグラフも掲載されているので、データシートを見る際は必ず確認するようにしてください。

雑音指数

雑音指数はRFアンプの入出力間で信号のS/N比がどの程度悪化するかを表したもので、信号をS、ノイズをNとすると

NF = (Si / Ni) / (So / No) として表されます。

または SN比がデシベルで表されている場合には

NF [dB] = SNi – SNo としても表すことができます。

基本的には、出力側でノイズがどの程度増幅されているのかが重要で、雑音指数 NF の値が大きくなるほどノイズが多いということを意味します。

雑音指数の大きさによってどの程度小さな信号を拾えるかが変わってくるため、特にプリアンプにおいては雑音指数が小さいものを選ぶことが重要となります。

1dBコンプレッション

1dBコンプレッションは、最大出力電力の目安として使われるものです。

RFアンプの入力電力と出力電力の関係性をプロットしたときに、小さい電力のときは入力電力に直線的に比例して出力電力が大きくなりますが、ある一定上の電力を入力すると入力に対して出力が比例しなくなり、徐々に出力電力が飽和していきます。

このときに理想的なゲインの傾きに対して出力電力が 1dB 低下した時の出力レベルが 1dBコンプレッション です。

プリアンプではこのような高いレベルを出力することはありませんが、パワーアンプにおいてはできるだけ強い電波を出力するためにこの1dBコンプレッション のぎりぎりの領域まで使われることもあります。

ただしRFアンプが飽和すると出力波形が歪み、意図した信号が伝送できなくなってしまうため、出力電力に対して余裕を持ったスペックのものを選定することが重要です。

またパワーアンプそのものも非常に壊れやすい部品の1つです。

ギリギリのスペックで使用していると発熱の影響もあってか故障しやすい傾向にあるため、そういった意味でもある程度出力電力に対してマージンを持ったスペックのものを使う方が
良いかと思います。

 

おわりに

今回はRFアンプの「概要」「種類」「特性の定義」について解説しました。

なおRFアンプの特性に関しては、ゲインや雑音指数の計算方法は「陸上無線技術士」をはじめとして、無線関係の試験ではよく出題されます。

 

そのためこれから受験するという方は、特性の意味についてはもちろんですが、計算式や計算方法について理解しておく必要があります。

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今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

ABOUT ME
エンジャー
EMCやノイズ対策に関する情報発信を日々行っています。 ( iNarte EMC Engineer、第一級陸上無線技術士)

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