前回までで、QucsStudioを使ってシミュレーションを実行し、グラフを編集しました。
今回の記事では、いよいよ iNarte 資格試験を想定した問題の回答に取り掛かかります。
動画はコチラ↓
インピーダンスの算出
問題
”RLCの直列回路でそれぞれの定数が R = 1Ω、L = 1uH、C = 1uF であったとき、2kHz におけるインピーダンスの大きさと位相を求めよ。”
解答
「Insert Equation」に計算式を記述します。
インピーダンスは、入力電圧「Vin.v」を電流プローブで観測した電流「Pr1.i」で割ることで求まります。
Z = V / I = Vin.v / Pr1.i
式自体はオームの法則そのものですね。
「 .v 」や「 .i 」はそれぞれの電圧値、電流値を表したものです。
シミュレーションを実行した後に、「Tabular」を選択して表を作成します。
表示するパラメータは「Graph properties」に直接書き込みます。
mag(z):インピーダンスの大きさ
phase(z):インピーダンスの位相
real(z):インピーダンスの実数部
imag(z):インピーダンスの虚数部
今回の場合は、mag(z) と phase(z) だけでも構いません。
問題の回答としては以下の通りです。
インピーダンスの大きさ「 79.8Ω 」
位相「 -89.3° 」
計算方法
ちなみに、計算式で回答する場合は
角速度、平方根、三角関数を使った計算になります。
大変そうですね。
おわりに
今回はインピーダンスの計算方法をご紹介しました。
一度シミュレーションファイルを作ってしまえば、あとは部品の定数を変えるだけでいいので非常に楽です。
はじめは手間に感じるかもしれませんが、iNarte 資格試験にも役立ちますのでぜひトライしてみてください。
今回は以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。