今回はQucsStudioでアッテネーターを設計してみます。
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アッテネーターって何?
計算の前に、アッテネーターがどういうものかも一応説明しておきます。
アッテネーターは減衰器のことで、計測器への過入力を保護するために使用します。
高電力用のアッテネーターにはヒートシンクがついています。
減衰量を可変できるタイプもあります。
アッテネーターの回路方式
アッテネーターには「T型回路」と「π型回路」の2つの方式があります。
それぞれ抵抗器の配置が英語の「T」、ギリシャ文字の「π」に似ていることから、このように呼ばれます。
アッテネーターの減衰量は抵抗値の組み合わせによって変わります。
それでは計算してみましょう。
T型アッテネーター
問題
”入出力のインピーダンスが50Ωの伝送線路において、図1のT型アッテネータで 減衰が 6dB になる抵抗値 R1、R2、R3をそれぞれ求めよ。”
解答
「QucsStudio」を起動し、「Tools」から「Attenuator synthesis」を選択します。
アッテネーターの計算ツールが立ち上がります。
「Choice」から T型を選択し、「Attenuation」に 6dB と入力すると、計算結果が表示されます。
R1 = 16.6 Ω 、R2 = 66.9 Ω 、R3 = 16.6 Ω となりました。
計算方法
これを計算式で解く場合は
減衰量 A dB、アッテネーター定数を K = 10^(A/20) として、以下の式から求めます。
R1 = R3 = Z *(K − 1) / (K + 1)
R2 = 2 * Z * K / (K2 − 1)
減衰量が 6dBの場合は、K ≒ 2 となり、Z = 50 より
R1、R2、R3を求めます。
式を知っていれば計算自体は簡単ですが、式が少し複雑ですね。
今回は割愛しますが、π型のアッテネーターも同様の方法で計算できます。
おわりに
今回は 「QucsStudio」の機能の中から、アッテネーターの減衰量から抵抗値を求めるツールをご紹介しました。
iNarte資格試験だけでなく、業務でも役に立つ機能ですので、ぜひお試しください。
今回は以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。