この記事では、Amazonで購入可能な正負電源モジュールを4つ紹介しています。
動画はこちら↓
Garosa ±15V出力
1つ目は±15Vを出力する両電源モジュールです。
この両電源モジュールは出力電圧が±15Vで固定ですが、非常に小型軽量で自作の回路に組み込んで使用することができます。
電圧確認
実際の動作については、プラスの電圧が 15.6V、マイナスの電圧が -15.5Vと極性が反転した電圧が出力されます。
ただしプラスの電圧については、両電源モジュールのスイッチング動作によるリップルが残っています。このあたりは出力にコンデンサを追加すれば特に問題ないレベルです。
また入力電圧が 3.3 ~ 13Vに対応しており、定格の範囲内で入力電圧を変化させても±15Vが安定して出力されています。
オペアンプ動作
この両電源モジュールを増幅率が10倍の反転増幅回路の電源として使用してみます。
黄色の1Vのサイン波の入力信号に対して、水色の出力信号が極性が反転して、かつ電圧が10Vと正しく動作していることが確認できます。
また反転増幅回路の動作時にも入力電圧を変更してみましたが、波形に大きな変化はありませんでした。
Walfront ±5V出力
2つ目は±5Vを出力する両電源モジュールです。
この両電源モジュールは、部品サイズがやや大きいものの小型軽量なタイプの両電源モジュールです。
この両電源モジュールの特徴は、正負の電源回路とも昇降圧回路が実装されている点で、これによって電力効率が高くなっています。
また出力電圧は R1の抵抗値によって調整できるようになっており、必要に応じて電圧を変更できます。
電圧確認
プラスとマイナスのどちらの電源ともスイッチング動作によるノイズが重畳していますが、電圧自体は安定しています。(マイナス電圧は定格の 5Vよりも若干高くなっています)
また入力電圧範囲が 3 ~ 24Vとなっていますが、入力電圧が高くなるほどスイッチングノイズが大きくなる傾向があります。
オペアンプ動作
増幅率が10倍の反転増幅回路に使用した場合は、黄色の 100mVの入力信号に対して、水色の出力信号が極性が反転して、かつ振幅が 1Vと正しく動作しています。
消費電力については、先ほどの両電源モジュールが120mW程度であったのに対して、この両電源モジュールは24mWとかなり省電力です。
ちなみに、入力電圧を変化させても同じ消費電力で動作するので、そういった意味でも使いやすい仕様と言えます。
ZJchao ±3.3~24V 可変出力
3つ目は出力電圧が可変できるタイプの両電源モジュールです。
この両電源モジュールは入力電圧範囲が 3.6~30V、出力電圧範囲が ±3.3~24Vと非常に万能な仕様です。
部品・基板サイズについては、他の両電源モジュールと比較してやや大きい印象を受けますが、最大出力電力も大きくなっているためシリアル通信やオーディオ用の電源としても使えます。
また端子台が付いているのも、使いやすいポイントです。
電圧確認
実際の動作については、マイナス電源側の追従性がやや悪いですが、ポテンションメータの抵抗値に応じて出力電圧が変化します。
また入力電圧については、定格の範囲内であればどれだけ変化させても出力電圧が安定しています。
オペアンプ動作
増幅率10倍の反転増幅回路に接続すると、黄色の 1Vの入力信号に対して、水色の出力信号が極性が反転して、電圧が 10Vときちんと動作します。
またこの状態から電源電圧を低下させると、出力信号が電源電圧の制約を受けてクリップされる現象が確認できます。
このクリップ時の波形においてマイナス側の電圧の方が低くなっており、プラスとマイナスの電圧のバランスが若干ズレていることがわかります。
とはいえ、普通に使うぶんには気になるものではなく、むしろ出力電圧を調整できるメリットの方が大きいです。
DROK ±8~18V 可変出力
4つ目は、出力電圧を両極性とも別々に調整できる両電源モジュールです。
この両電源モジュールは入力電圧が 4 ~ 12Vで、出力電圧が ± 8 ~ 18Vと動作電圧範囲がやや狭いです。
なおリニアレギュレータを使用している(損失が大きい)ため、アンプなどの高負荷を動作させることはできません。
電圧確認
実際の動作については、リニアレギュレータを使用しているだけあってノイズはほとんど見受けられません。
また出力電圧についても、各ポテンションメータで正負それぞれの電圧を調整できるため、非常に高い精度で電圧を供給することができます。
一方で消費電力については、リニアレギュレータの性質上他の両電源モジュールと比較してかなり高くなっています。
また入力電圧が高くなるほど、消費電力が高くなっており、ノイズ性能と消費電力がトレード・オフの関係となります。
オペアンプ動作
出力電圧を±15Vに設定した状態において、1V の入力信号に対して増幅率10倍の反転増幅回路がきちんと動作します。
ただし電源単体のときと同様に、入力電圧が高くなるほど消費電力が高くなります。
また出力電圧は極性ごとに調整できるため、出力電圧が低下させることで出力信号がクリップされる様子を確認できます。
またこの両電源モジュールはUSB電源を使用して動作することもできます。
マイクロUSB端子にUSB電源の出力を接続しても、これまでと同じように反転増幅回路の出力信号がきちんと10倍に増幅されます。
またボード線図を描画しても、20dBのゲインが 100kHz程度まで維持されており、電源の種類によらずきちんとオペアンプを動作させられます。
おわりに
今回は電子工作の実験に使える正負電源モジュールを紹介しました。
今回紹介したモジュールはこちら↓
いずれも 1,000 ~ 2,000円程度で入手することができ、オペアンプの簡単な実験用としては問題ない品質でおすすめです。ご自身の用途に合わせて選んでみてください。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
初めまして。
学校の課題の一環でアンプモジュールを使おうと思いamazonで購入したのですが電圧出力範囲の設定方法がわかりません。よければご教授いただきたいです。
購入した電圧アンプモジュールです→https://www.amazon.co.jp/gp/product/B09PXS3F4N/ref=ppx_yo_dt_b_asin_image_o04_s00?ie=UTF8&psc=1
ひぽさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
商品の紹介ページを確認しましたが、スペックだけだと詳細わかりませんね。(単位がメチャクチャな気がします)
9989さんのコメントを参考にすると、可変抵抗(水色の大きい部品)のうちW103がオフセットの調整、W104がゲインの調整となっているようなので、オシロスコープなどで波形を確認しながら調整するのが良さそうです。
あとはゲインの調整にあたり、入力電圧範囲が適切かどうかも確認しておくと良いと思いますよ。