Altium Designerのチュートリアル解説の第3回目。
前回はチュートリアル用のプロジェクトファイルを作成しました。
今回は、回路設計・PCB設計で使用する部品データを取得します。
- プロジェクト作成
- コンポーネント(部品)データ取得
- 回路図作成
- 回路のデザインルールチェック(DRC)
- プリント基板作成
- 部品配置・配線
- プリント基板のDRC
- プロジェクトリリース
グリッド設定
部品データを取得する前に、プロパティパネルにてグリッドの設定を行います。
プロパティパネルが表示されていない場合は、画面右下の「Panels」をクリックして「Properties」を選択すると表示されます。
グリッドの設定は、「General」タブの「General」から行います。ここでは単位(Units)を「mils」と選択し、「Snap Grid」に「100mil」と入力してチェックボックスにチェックを入れます。
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※なおチュートリアルでは、図面シートのテンプレートを変更する手順が含まれていますが、今回の記事ではその手順が抜けています。(設定していなくても特に問題はありませんでした)

部品データの検索方法
Altium Designerでは、「Manufacturer Part Search」を使用することで、Altium Designerに予め登録された部品モデルを使用することができます。
「Manufacturer Part Search」はプロパティと同じく、「Panels」をクリックして「Manufacturer Part Search」を選択することで表示されます。
この「Manufacturer Part Search」では、キーワード検索したり、フィルタリングによって部品を選択できるようになっています。(ここでは「LED green clear 0603 SMD」と入力)

またサプライチェーン情報も表示されるため、部品選定の際に価格や入手性なども同時に確認できます。
※ここで検索した LEDは今回のチュートリアルでは使用しません。
トランジスタの追加
トランジスタには ON Semiconductor製の「BC547CG」を使用します。
「Manufacturer Part Search」のキーワード検索欄に「transistor BC547」と入力して「BC547CG」を選択します。
SPNリンクをクリックすると部品のストック状況が表示されるので、グリーン(供給可能)であることを確認します。

続いて画面右上の[i]ボタンをクリックして、コンポーネントの詳細情報を表示し、「Download」と表示されたドロップダウンをクリックして「Acquire」をクリックします。

すると「新しいコンポーネントを作成」のウィンドウが起動するので、「Transistors」を選択して「OK」をクリックします。
続いて「Use Component Data」ウィンドウにて「Only matching」のオプションを無効にし、Parameterの4つのチェックボックスにチェックを入れて「OK」をクリックします。
そして、部品データ取得のために一時待機した後に「ファイル」→「サーバーへ保存」をクリックします。
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Release Notesには「Initial release of the transistor component, acquired from Manufacturer Part Search」と入力し、Advanceをクリックして部品情報に間違いないか確認した上で「OK」をクリックします。(Release Notesのコメントは指定ではありません)
これでトランジスタの部品データの取得は完了です。
以後の部品も同様の手順で、部品データを取得していきます。
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コンデンサの追加

「Manufacturer Part Search」の検索欄に「capacitor 22nF 16V 0603」と入力して、KEMET製の「C0603C223J4RACTU」し「Acquire」をクリックします。
部品タイプは「Capacitor」とし、「Only matching」を Off にした上で全ての「Parameter」にチェックを入れます。
サーバーへ保存する前に、部品の名称を「Capacitor 22nF +/-5% 16V 0603」に変更します。変更が完了したら「メニュー」から「サーバーへ保存」をクリックします。
Release Notesには「Initial release of the capacitor component, acquired from Manufacturer Part Search」と入力し「OK」をクリックします。
抵抗の追加
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「Manufacturer Part Search」の検索欄に「Panasonic ERJ-6GEYJ104V」と入力し、供給可能であることを確認して「Acquire」をクリックします。
部品タイプは「Resisotr」を選択し、「Only matching」を Off にした上で左上の「Parameters」にチェックを入れます。
部品の名称を「Resistor 100K +/-5% 0805 125 mW」に変更し、「メニュー」から「サーバーへ保存」をクリックします。
Release Notesには「Initial release of the resistor component, acquired from Manufacturer Part Search」と入力し「OK」をクリックします。
続いて 1kΩの抵抗も同じ手順で部品データを取得します。

(説明は割愛)

コネクタの追加
コネクタは「Manufacturer Part Search」のフィルタ機能を使って部品を探します。
カテゴリリストから「Connectors」→「Headers and Wire Housings」を選択し、フィルタペインを表示した上で、リストの一番下までスクロールして「Show more filters」をクリックします。

次にコネクタの仕様に合わせてソーティングして「Samtec TSW-102-26-F-S」を選択します。
Has model | Yes |
---|---|
Contacts | 2 |
Pitch | 2.54mm |
Gender | Male |
Orientation | Straight |

後はこれまでと同じ手順ですが、ここでは右クリックやショートカットキーを使って部品データを取得します。

これで、チュートリアルで使用する部品データの取得は終了です。
おわりに

今回はチュートリアルで使用する部品リストを取得しました。
はじめのうちは、どのコマンドがどこに割り当てられているかわからないためかなり時間が掛かってしまいましたが、最後の方は1つの部品データをを約 3分ほどで取得できるようになりました。
次回は、取得した部品データを使用して回路図を作成していきます。

今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。