Altium Designer

Altium Designer を使ってみた(10)【Altium365】

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Altium Designerチュートリアル解説の第10回目。

前回まででプリント基板の設計作業は終了しましたが、今回はおまけとしてプロジェクトのヒストリー管理や Altium365での共有方法について紹介します。

 

プロジェクトのヒストリー管理

Altium Designerでは、グラフィカルなタイムラインでプロジェクトのヒストリーを管理することができます。

ヒストリーを表示するには、プロジェクトツリーのプロジェクトファイルを右クリックして「バージョンコントロール」→「Show Project History」を選択します。

すると、これまでサーバーへ保存したごとのプロジェクトの履歴がツリー状に表示されます。

またヒストリー表示の右上にある検索バーにキーワードを入力すると、キーワード(ここでは R1)に関連した項目のみを表示することもできます。

ヒストリーの読み方については、Gitなどのバージョン管理ツールを使用したことがあればわかりやすいかと思います。

 

 

Altium365への接続

プロジェクトをメンバーで共有するには、まず Altium365へ接続する必要があります。

Altium Designerのアカウント名から「地球」のアイコンをクリックすると、Altium365のマイページへ移動します。

プロジェクトを開くには、画面左側の「Projects」をクリックして、ここでは「Tutorial」のファイルを選択します。

するとブラウザ上で回路図が表示され、画面上部の「PCB」や「3D」「BOM」のタブをクリックすることでそれぞれの詳細情報を確認することができます。

 

ネット情報の確認

ブラウザに表示される回路図、PCB、3Dはそれぞれネット情報が共有されているため、特定のネットをクリックして相互に表示を切り替えることができます。

上の図では「12V」のネットを表示していますが、その他のネットについても同様に確認できます。

もちろんそれぞれのビューで画面を操作することも可能で、 3D表示においても回転したり、拡大・縮小したりできます。

またBOMのビューにおいては、部品名をクリックすることで ActiveBOMで連携している「Octpart」というサイトにシームレスに移動できます。

Octpartでは部品のスペックを確認できることはもちろん、ActiveBOMの機能と同様に、ディストリビュータの在庫状況や代替部品の候補なども見ることができます。

 

 

コメント機能(Altium365)

Altium365で回路図やPCBデータを確認していて、気になる点があった場合にはコメントを入力することができます。

コメントを入力するには、画面右上の「Comments」のアイコンをクリックして、回路図上でコメントを残したい箇所を選択します。

するとコメントを入力するためのウィンドウが起動するので、そちらにコメントを入力して「Post」をクリックします。すると画面右側に先ほど入力したコメントが表示されます。

プロジェクトを他のメンバーと共有している場合には、Altium365上でコメントに返信することも可能で、一度コメントをクリックして返信コメントを入力します。

返信によって問題が解決した場合は、上部の「Resolve」をクリックしてコメントのステータスを変更しておくと良いかと思います。

 

コメント機能(Altium Designer)

コメントは Altium Designerでも入力できます。

Altium Designerでコメントを入力する場合も画面右上の「Comments」のアイコンをクリックします。

コメントの対象箇所を指定したらウィンドウが起動するので、「@」で誰に対するメッセージなのかを指定してテキストを入力して「Post」をクリックします。

別のメンバーからコメントがあった場合は、Replyのテキスト欄にコメントを入力すると返信することもできます。

そしてコメントの問題が解決したら、Altium365のときと同じように「Resolve」をクリックして解決済みのステータスに変更します。

 

 

プロジェクトの共有方法

Altium365を利用すると、メンバー以外(例:顧客、製造委託先など)とプロジェクトを共有することも可能です。

まず Altium Designerの画面右上にある「共有」をクリックします。

「Share」のウィンドウが起動するので、「Snapshot on the Web」を選択して「Generate Link」をクリックします。

しばらく待つと、プロジェクトを共有するための URLが表示されるので「Copy link」をクリックして、ブラウザの検索欄に貼り付けます。

すると、Altium365でプロジェクト画面が表示されるので、ここから回路図やプリント基板の情報を確認することができます。

※URLの有効期限は 48時間となっているので、発行後 48時間経過した場合は新しい URLを発行する必要があります。

また製造委託先に製造データ(ガーバーデータなど)を共有したい場合は、Altium365の画面右側の「Release」を選択して「Send to Manufacturer」をクリックします。

「Send to Manufacturer」のウィンドウが起動したら、共有したいファイルを選択し、宛先の emailアドレスを入力して「Send」をクリックします。

 

おわりに

今回は Altium365を活用したプロジェクトの共有方法について紹介しました。

従来の PDFなどを使った情報共有と違い、Altium365を使用するとプロジェクトファイルそのものの情報が共有できるため、より円滑に詳細な情報を共有できるようになります。

Altium365は、ライセンス契約すると自動で利用できるようなので、他のメンバーや取引先との情報共有にぜひ活用してみてください。

最後に

これまでシリーズでお届けしてきた Altium Designerのチュートリアル解説もこれにて終了になります。

Altium Designer を使ってみた(1)【導入編】Altium社より【Altium Designer】のライセンス提供を受けました。 そこで今回から複数回にわたって、Altium ...

チュートリアルを通じて、簡単な使い方については体験できたと思いますので、あとは実践の中で色々な設計にチャレンジしてみると良いかと思います。(わたしもまだまだ勉強中なので、一緒に学んでいきましょう)

 

今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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