今回からQucsStudioを使って回路シミュレーションをはじめていきます。
この記事を読んでも難しく感じた方には、書籍でより詳しく解説しています。
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シミュレーションの手順
今回は、RLCの直列共振回路をAC解析します。
AC解析は、回路の周波数特性を知るために使用する解析方法です。
まずはシミュレーションの大まかな手順を確認しましょう。
➀プロジェクトファイルの作成
➁シミュレーション条件の設定
➂部品配置
④配線、ラベリング
⑤部品定数の変更
⑥シミュレーションの実行
⑦グラフの編集
⑧インピーダンスの算出
⑨共振周波数、Q値の算出
今回は➀~⑤まで、つまりシミュレーションを実行するまでの準備の手順をご説明します。
シミュレーションのための準備
①プロジェクトファイル作成
「QucsStudio」を起動して、プロジェクトファイルを作成しましょう。
プロジェクトの名前は何でもよいですが、ここでは「ac1」としました。
②シミュレーション条件設定
シミュレーション条件を設定するために、「Components」のプルダウンメニューから「simulations」を選択し、「ac simulation」をクリックし、回路図でもう一度クリックします。
「ac simulation」をダブルクリックしてプロパティを開き、シミュレーションの条件を設定します。
・Type を logarithmic とすることで周波数を対数軸で掃引します。
・Start は掃引開始周波数です。
・Stop は掃引終了周波数です。
・Points per decade は周波数が10倍する間のポイント数です。
・Number はシミュレーションを実行するポイント数です。
(Start、Stop、Points per decade が決定すると自動で入力されます。)
ここでは Start = 1kHz、Stop = 1GHz、Points per decade = 10 とします。
➂部品配置
「Components」のプルダウンメニューから「source」を選択し、「ac Voltage Source」をクリックし、回路図でもう一度クリックします。
つぎに 「Components」のプルダウンメニューから「lumped components」を選択し 、抵抗、コンデンサ、コイルをそれぞれ回路図に配置します。
さらに 「Components」のプルダウンメニューから「device」を選択し 、電流プローブを回路図に配置します。
④配線とラベリング
ツールバーの「wire」を選択して部品同士を接続し、同じくツールバーの「Insert Ground」を選択し、信号源とコイルの他端に接続します。
ツールバーの「Wire Label」を選択して、 信号源と電流プローブの間の配線をクリックし「Vin」という名前を付けます。
⑤定数変更
ここではそれぞれ R = 1 Ohm、C = 1 uF、L = 1uH とします。
お疲れさまでした。
これでシミュレーションの準備が完了しました。
おわりに
いかがでしたか?
思ったよりも難しくなかったと感じていただければよいのですが。
少し厳しそうだなと感じたら、書籍も使って学習してみてください。
書籍の内容はこの記事から確認できます。
今回は以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。