当サイトでは、EMC試験やノイズ対策に関する情報提供をしていますが、この業界で資格といえば「iNarte EMCエンジニア」と「iNarte EMCテクニシャン」です。
ということで iNarte の資格に関するお話を。
動画はコチラ↓
iNarteって何?
iNarte はアメリカの非営利団体で 、無線および通信分野の技術者認定を行っています。
もともとアメリカで資格認定が行われていましたが、1998年からKEC(関西電子工業振興センター)主導のもと日本語で受験できる体制が整えられ、日本にも定着しました。
アメリカで資格認定が行われるため日本の国家資格ではありませんが、EMCにかかわるエンジニアには人気の資格です。
テストの形式
参考資料やパソコンの持ち込みOKという珍しい形式のテストです。
参考資料に制限もなく、教科書や問題集すべてOKです。
パソコンもネットにさえ接続しなければ、電子データとして何でも持ち込めます。
これはテストの趣旨が答えの暗記ではなく、実務で課題を解決することに主眼を置いているためです。
資格の取得者
KECでは企業別の有資格者数を公開しています。
EMC試験所のエンジニアだけでなく、電機メーカーや電子部品メーカーの方も取得していることがわかります。
これはiNarte資格試験で問われる内容が、EMCエンジニアとしてのスキルアップに役に立つからだと思います。
合格率は?
資料を持ち込んでテストを受けられるので簡単に合格できるように感じますが、 実際はそんなに甘くありません。
合格率の推移をみると、ここ5年は30%を下回っており、資格試験の難易度としてはかなり高いことが伺えます。
出題範囲
合格率の低さの要因として、出題範囲の広さが挙げられます。
- Filed Theory
- Antennas
- Coupling
- Shielding
- Transmission Line
- Electrical Networks
- Filters
- Amplifiers
- Mathematics
- EMI Prediction and Analysis
- Signal and Transforms
- Spectrum Analysis
- Test and Measurement ・ Facilities
- EMC Design
- Terminology
- Special Devices, Materials and Component
- EMP
- ESD
- Lightning
- Specifications and Standard
- Grounding and Bonding
- (HERP,HERF,HERO) Safety
- EMC Management
たくさんありますね。(笑)
分野ごとの参考資料が頭に入っていないと、なかなか回答にたどり着けません。
ということで、しっかり勉強してテストを受けましょう。
分野別の「オススメ参考書」は、別の記事で紹介しています。
苦手分野克服に役立つと思うので、ぜひチェックしてください。
おわりに
iNarteの資格について紹介しました。
難易度の高いテストですが、取得する価値のあるものと思いますので、定期的に「勉強法」や「回答法」を解説していきます。
その他の資格関連情報として、「EMC設計技術者」や「陸上無線技術士」についても紹介しています。興味のある方は、チェックしてみてください。
また、EMCエンジニアに興味のある方は「EMCエンジニアのすゝめ」がおすすめです。
今回は以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今は知りませんが、昔は、誤訳が多く、そこで点を失う人が私の周囲にいました。私が1発で合格できたのは、アメリカ赴任で英語には慣れていて、明らかに誤訳という箇所で間違えずに済んだことも影響していたと思います。一緒に受けた人たちがこぞって落ちたのは、後で分かったことですが、誤訳だらけだったことです。尚、訳の監修者さんの英語の実力を私は知っていたりです。