イミュニティ試験の中でも、高いエネルギーを加える試験が「雷サージ試験」です。
多くの場合は IEC61000-4-5 に則って、電源ラインに対するサージ耐量を試験します。
今回は雷サージ試験の対策方法について考えてみます。
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雷サージ対策部品
雷サージ対策部品として思い浮かぶのは….
サージアブソーバ、サージプロテクタ、バリスタ、アレスタ、サイリスタ、ダイオード、…..
と多岐にわたります。
対策部品の役割
まずはこれらの部品の役割を考えてみましょう。
言葉の意味から考えると
・サージアブソーバ:雷サージを「吸収」するもの
・サージプロテクタ:雷サージから「保護」するもの
・バリスタ(variable resistor):「抵抗値」が変化するもの
・アレスタ:避雷器、雷サージを「放電」させるもの
「サージアブソーバー」と「サージプロテクタ」と「アレスタ」は雷に対する作用が名前からわかります。
「バリスタ」は電圧に応じて抵抗値が変化する。
この作用から考えると、雷サージをバイパスさせるフィルタとして捉えることができます。
「サイリスタ」と「ダイオード」も電圧によって応答が変化する素子なので、バリスタと同じフィルタの役割を担うと考えることができます。
対策部品の分類
これらの対策部品をどのように使い分ければいいのか?
このように考えたときに、少し疑問が。
「サージアブソーバ」と「サージプロテクタ」って実際にどうやって「吸収」「保護」しているのか?
実はこの2つの部品は、雷サージ対策部品につけられた「あだ名」のようなものです。
実際は内部に「バリスタ」や「アレスタ」が使われています。
例えばサージプロテクタは、「ライン間」と「大地間」に対してバリスタやアレスタを組み合わせて1つの部品としたものです。
つまり対策部品としては多岐にわたるものの、対策方法としては2つしかないことがわかります。
➀雷サージをバイパスする
➁雷サージを放電させる
おわりに
まずは雷サージの対策部品、対策方法を分類してみました。
雷サージ対策部品は「機器内部で使うもの」と「設備内で使用するもの」を一括りにされているので、わかりづらくなっています。
次回は「バリスタ」と「アレスタ」の使い分けについて考えます。
今回は以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。