この記事では、ダイソーで販売されている格安のUSB充電器の性能について評価しています。
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比較対象
ここではダイソーで販売されている4つUSB充電器を比較します。
この4つのUSB充電器は、それぞれ 300円、500円、700円で販売されており、いずれも家電量販店などで販売されているものと比較するとかなり安い価格となっています。
USB充電器を選ぶときのポイントは、こちらの記事で解説しています。
充電器1 300円
まず 1つ目は最も安い300円のUSB充電器です。
こちらの充電器はタイプAのコネクタが2ポート搭載されており、最大出力が 5V, 2.4Aなのでワット数は 12Wです。
ただし出力電圧が 5Vのみであるため、高速充電規格には対応していません。
コンセント差し込み式の一般的な2ポートのUSB充電器といった感じで、重量は 42gです。
充電器2 500円
2つ目は500円のUSB充電器です。
このUSB充電器もタイプAのコネクタが 2ポートですが、ワット数が 5V×3.4A = 17W と5Wほど高い電力に対応できるようになっています。
ただし1ポートあたりの出力については、上のポートが 12W、下のポートが 5Wと制限されており、高速充電規格には対応していません。
外観については300円のものと大差のない感じですが、重量は 48gと15%ほど重くなっています。
充電器3 500円
3つ目のUSB充電器も500円です。
この 500円のUSB充電器はポートが1つしかありませんが、タイプCのコネクタを搭載しています。
コネクタの種類については、今後タイプCコネクタが更に普及していくことを考えるとメリットに感じる方もいると思います。
ワット数については 5V×3A = 15Wとなっており、1ポートあたりの性能としては同じ 500円の2ポートのUSB充電器よりも3W高くなっています。
ただし、USB PDなどの高速充電規格には対応していません。
重量は 45gです。
充電器4 700円
4つ目はUSB PDに対応して一部で話題になった 700円のUSB充電器です。
700円とダイソーの中では高価な商品ということになりますが、USB PD対応としては安いと思います。
こちらのUSB充電器は、タイプAとタイプCのコネクタが1つずつ搭載された2ポートのUSB充電器です。
ワット数については1ポート使用時と 2ポート使用時で条件が異なっており、1ポート使用時はタイプCコネクタが 最大20W、タイプAコネクタが 最大18Wで、2ポート使用時は 最大15Wとなっています。
この使用条件によって充電速度が変わってしまうのは、少し使いづらそうなポイントです。
また高速充電については USB PDへの対応が強調されていますが、USB充電器本体を見てみるとQC(クイックチャージ)規格にも対応しています。
重量はワット数が高いためか60gと他のUSB充電器よりも20~30%ほど重いです。
動作検証
動作検証はUSB充電器に電子負荷をつないで各ポートのワット数を確認します。
充電器1 300円
まずは最も安価な300円のUSB充電器です。
このUSB充電器は2ポートで最大 12Wほどの充電が可能ということで、それぞれのポートに 5V×1.2Aで6Wの負荷をつないでみました。
それぞれのポートが負荷に対して 6Wの電力を供給できています。
ただしこの 6Wの電力は、昔の iphoneに付属していた超小型のUSB充電器と同じくらいの性能です。
おそらく最近のスマートフォンに対してはワット数が小さすぎて、充電しながらもバッテリーが減っていくくらいのスペックになので、スマホをヘビーユースする方にとっては物足りないUSB充電器になるかと思います。
一方で、寝るときなど時間を確保できる状態でしか充電しないといった用途においては、十分使えます。
ちなみに、この充電器で高速に充電したい場合はポート数を1ポートだけに絞ることで12Wの充電に対応させることもできます。
充電器2 500円
このUSB充電器は2ポート同時使用でも片方のポートが 12W出力に対応しています。
小さいメータの方が 2.4Aで、大きいメータの方が 1Aと、ある程度の高いワット数で充電できていることがわかります。
この充電器を使えば、例えば 2.4A対応のポートである程度高速でスマホを充電しつつ、もう一方のポートでイヤホンなどの付属品を同時に充電できます。
つまり、充電しながらスマホを使うといった用途においては、300円のUSB充電器よりも適していると言えます。
充電器3 500円
3つ目は 1ポートのタイプのUSB充電器です。
こちらのUSB充電器は3A出力時に電圧が4.77Vと少し下がってしまっており、最大のワット数 15Wで充電できる機会はかなり少ないかもしれません。
USB充電器の性能としては、無理やり設定すれば 15Wの供給にもきちんと対応させることもできますが、実際に使用する場合には最大電流が 3Aに制限されてしまうため少し残念です。
用途については、2ポートのものより大きなワット数で充電することができるため、スマホやタブレット単体を充電する用途などに適しているかと思います。
充電器4 700円
最後は700円のUSB充電器です。こちらのUSB充電器は 1ポートと 2ポートで動作条件が異なるので、それぞれの条件で動作させてみます。
まずタイプCのポートを単体で動作させると、 USB PDに対応しているため電圧が 5V, 9V, 12Vで出力できるようになっています。
電圧の選択については、USB充電器とデバイス側で通信が行われて、負荷のワット数に応じて適切な電圧と電流が選択されるようになっています。
ちなみにタイプCのポートにおいては、9Vと 12V時に 20Wの供給ができます。
次にタイプAのポートについては、こちらは高速充電の中でもQCの規格に対応したポートとなっています。
こちらのポートについては充電状態に応じて最適な電圧に設定されるようになっています。
ワット数については最大 18Wとなっているので、最近のスマートフォンに付属している
高速充電に対応したUSB充電器と同じくらいの性能です。
最後に2ポートで動作させると、どちらのポートも電圧が 5Vしか出力できないようになっています。
つまりこの段階で USB PDや QCの高速充電規格には対応しなくなるということです。
これは結構な落とし穴で、2つポートが付いているからといって安易に同時に使用してしまうと高速に充電されなくなります。
そのためUSB PDに期待してこのUSB充電器を使用する場合には、必ず1ポートのみで使用する必要があります。
用途としては、タブレットなどのある程度ワット数が必要なデバイスの専用充電器として使用するのが良いのではないかと思います。
ちなみに、USB PDに対応していると任天堂スイッチやノートパソコンのACアダプタとしても使用できますが、こちらは 45Wや 65Wといった更に高いワット数が必要とされるため、充電はできるもののバッテリーが少しずつ減っていくといった程度でしか運用できないことに注意してください。
おわりに
今回はダイソーのUSB充電器の実際の実力について調査しました。
各USB充電器ともそれぞれに特徴を持っており、やはり価格によって充電性能が分かれているため、それらの特徴を理解した上で適切に使い分けることが重要になります。
特に2ポートのUSB充電器については、使用条件によって充電速度にかなりの違いが出てしまうので購入する際には注意してください。
ちなみにダイソーの充電器のコストパフォーマンスについては、Amazonで販売されている同じようなスペックのものと比較すると、おおよそ 30%以上は安くなっているかと思います。
長期使用での信頼性などはわかりませんが、少なくとも電気用品安全法を満足している中では最も安価に購入できる部類に入ると思うので、安いUSB充電器を探している方は近所のダイソーで探してみてください。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。