EMC村の民
~iNarte EMCエンジニアへの道~
ノイズ対策

バリスタとアレスタの使い分け方

 

前回の記事では、雷サージ対策部品の種類、分類について紹介しました。

今回は雷サージ対策部品のうち、「バリスタ」と「アレスタ」の使い分けについて考えてみます。

 

Youtubeでも解説しています。こちらの方が詳しいかもです。

 

バリスタの特性

まずは「バリスタ」とは何かというとところから。

℣ariable Resistor (バリアブル レジスタ)の略で、電圧によって抵抗値が可変する半導体素子の一種です。

出典:JEITA

上図のように、一定の電圧を超えるまでは電流がほとんど流れません。

しかし、一定の電圧を超えると抵抗値が急激に低下し電流が流れはじめるとともに、電圧は一定に保たれます。

 

バリスタ電圧の定義は、1mAの「電流」を流すときにかかる両端にかかる「電圧」です。

回路電圧によってバリスタを選定しやすいように、各メーカーからはバリスタ電圧ごとに部品がシリーズ化されています。

バリスタ電圧と材料の厚みは比例関係にあるため、バリスタ電圧が高いほど材料の厚みは大きくなります。

 

またバリスタは寄生容量を持つため、バリスタ電圧以下の領域においてはコンデンサとしての機能します。

コンデンサとして機能するということは、つまり「漏れ電流」が発生するということです。

寄生容量はバリスタの素子径の2乗に比例し、バリスタ電圧が低いほど大きくなります。

電源ラインで使用する場合においては、電気用品安全法などによって漏れ電流の大きさが制限されているので、設計時に注意してください。

 

具体的なバリスタの選定方法は、JEITAの資料(23ページから)などが参考になると思います。

 

アレスタの特性

つづいてアレスタとは何か。

アレスタとは、いわゆる避雷器です。

両端の電極間にギャップを設けて、サージ電圧を放電させることで雷サージのエネルギーを吸収します。

出典:時代遅れのアナログ爺さん

アレスタの特徴としては、漏れ電流が小さいことが挙げられます。

また電流容量も大きいため、より大きな雷サージ電圧にも対応できます。

 

一方のデメリットとしては、電流が流れ始めると電流を流し続ける性質「続流」が挙げられます。

続流の状態に陥ると、定格電圧に対しても大地に電流が流れつづけます。

いわゆる「漏電」した状態です。

 

このためアレスタは単体で使用することは難しく、バリスタと組み合わせて使用することが一般的です。

 

バリスタとアレスタの使い分け

というわけで、それぞれの使い分けを考えてみます。

まずは、雷サージの電圧(エネルギー)が大きいか、小さいかによって分かれます。

サージ電圧が小さい場合は、バリスタのみで構成します。

出典:TDK

 

サージ電圧が大きい場合は、バリスタにアレスタを組み合わせます。

出典:TDK

アレスタによってサージ電圧のエネルギーを吸収しつつ、バリスタによって続流を抑制します。

 

おわりに

雷サージ対策部品の「バリスタ」と「アレスタ」の特徴をもとに、それぞれの使い分けについて紹介しました。

まずは知識として、それぞれの違いを知っておくことが大切です。

 

このあたりの詳細は「サージ対策入門と設計法」で紹介されています。

この書籍はアレスタメーカーの「三菱マテリアル」のエンジニアが、雷サージ対策に関するノウハウを解説しています。

雷サージ対策部品の「使い分け」だけでなく、回路(電源回路、通信回路、アンテナ回路など)ごとに「対策ノウハウ」が解説されており、実践で役立つ知識が満載です。

雷サージ対策の悩みが一気に解決できますよ。

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今回は以上です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

ABOUT ME
エンジャー
EMCやノイズ対策に関する情報発信を日々行っています。 ( iNarte EMC Engineer、第一級陸上無線技術士)

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