電磁界シミュレータには「無料」で使用できるソフトがいくつか存在します。
そこで今回の記事では、機能制限はあるものの無料で使用できる電磁界シミュレータを2つ紹介します。
動画はコチラ↓
SONNET Lite
フリーの電磁界シミュレータでは最も有名です。
規模は限定されますが、例を見る限りでは高周波の教科書に載っているようなアンテナや伝送線路の解析はできます。
製品版へのアップデートも可能なので、電磁界シミュレーションに慣れてきて、規模の大きいもののシミュレーションが必要な場合に検討してみるといいかもしれません。
無料版のダウンロードはこちらから。
参考書籍
SONNET Liteによる、電磁界シミュレーションの活用方法については、小暮先生がいくつか書籍を出版されています。
EMCに関わる解析としては「電磁界シミュレータで学ぶ高周波の世界」や「EMI・EMS・EMCの基本 電磁波ノイズ・トラブル対策」が参考になるかと思います。
興味のある方は手に取ってみてください。
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OPEN FDTD
EEM社が提供しているオープンソースの電磁界シミュレータです。
FDTD法以外にもモーメント法の「OPEN MoM」などがありますが、ここでは最もは汎用的な「OPEN FDTD」を紹介します。
「OPEN FDTD」は名著として知られる「FDTD法による電磁界およびアンテナ解析」のアルゴリズムをもとに製作されているようです。
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この本の中では”Fortran”でのアルゴリズムが記載されているので、おそらくそのアルゴリズムをもとに処理を行っているのでしょう。
解析例としては、SONNET Liteと同じように規模が小さめのアンテナや伝送線路が中心となっていますが、規模の大きい電波暗室や自動車の解析例もあります。
うまくモデリングすることで、大きな規模の解析もできるのはいいですね。
EEM社の有償版である「EEM-FDM」と似たようなGUIでモデリングも可能で、OPEN FDTD から EEM-FDM へデータの移行も行えます。
リリース時期が2014年5月と比較的新しく、定期的にバージョンアップも行われているので、今後さらなる機能拡充が期待できます。
ダウンロードはこちらから。
参考書籍
CQ出版の「RFワールド」や「トランジスタ技術」でも取り上げられており、使用方法やアンテナの解析例などが紹介されているので、実際に使って見るときには参考にしてみてください。
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おわりに
無料で使用できる電磁界シミュレータについて紹介しました。
いずれの電磁界シミュレータも機能は限定的ですが、どんな解析ができるかを知るにはいいツールだと思います。
EMC設計への活用イメージがわかない方は、「EMCシミュレーション 設計技術マニュアル」を読んでみるのもいいと思います。
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EMCシミュレーションの分野で著名な方々の解析事例(金属筐体のシールド、プリント基板のプレーン共振、伝送線路の放射ノイズなど)が紹介されています。
また、初心者が陥りやすい「失敗」、モデリングにおける「注意事項」「ノウハウ」にも言及されており、実務ベースでの知識の習得にも最適です。
電磁界シミュレータの方式に関してはコチラを参照ください。
今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。