EMC村の民
~iNarte EMCエンジニアへの道~
EMC規格

無線機を対象とした電波規制

 

今回はEMCから少し離れた内容の話。

とはいっても、全く関係ない訳ではありません。

 

「無線機」の規制についてです。

ぱっと思い浮かぶものにはやはり「電波法」がありますよね。

陸上無線技術士の試験でも、法規の問題として電波法が関係します。

 

無線機の規制は電波法だけでなく、「ARIB標準規格」や「IEEE標準規格」など業界や仕向先によって参照する規格が異なります。

 

そこで今回の記事では、無線機の規制について雑多な感じで紹介したいと思います。

 

 

電波法

なんといってもまずは「電波法」ですね。

日本に住む私達にとっては最も身近な規制です。

 

電波法の第2条において以下のように定義されています。

第二条  この法律及びこの法律に基づく命令の規定の解釈に関しては、次の定義に従うものとする。
一  「電波」とは、三百万メガヘルツ以下の周波数の電磁波をいう。
二  「無線電信」とは、電波を利用して、符号を送り、又は受けるための通信設備をいう。
三  「無線電話」とは、電波を利用して、音声その他の音響を送り、又は受けるための通信設備をいう。
四  「無線設備」とは、無線電信、無線電話その他電波を送り、又は受けるための電気的設備をいう。
五  「無線局」とは、無線設備及び無線設備の操作を行う者の総体をいう。但し、受信のみを目的とするものを含まない。
六  「無線従事者」とは、無線設備の操作又はその監督を行う者であつて、総務大臣の免許を受けたものをいう。

無線機は電波法において「無線設備」に該当します。

無線電話を例にとると、送受信機、空中線設備、電源、マイク、スピーカーなどで構成されたものが該当します。

 

電波法において無線機は、電波法の無線設備規則に則って試験を実施する必要があります。

試験項目としては、発射周波数、空中線電力など様々な項目があります。

詳細は総務省の「特性試験の試験方法」にまとめられているので、確認してみてください。

 

アプリケーションごとに試験項目が規定されているのでかなりの項目数があります。

適用する規格を探すだけでもけっこう大変ですね。

 

この試験にパスしたものが、技適マークの認定を受けられます。

たまに輸入品等で技適マークが付与されていない製品が出回っていることがありますが、違法なので注意してください。

技適の認定状況については、同じく総務省の「技術基準適合証明等を受けた機器の検索
」から確認できます。

 

電波法の内容については、以下のサイトから閲覧できます。

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=325AC0000000131#1

 

 

ARIB標準規格

電波法と近いところで、ARIB(アライブ)標準規格があります。

 

ARIBは「Association of Radio Industries and Businesses」の略で、おもに電波利用システムの研究開発や技術基準の国際統一化などを行っています。

その中の取組みとして、各種無線システムの標準規格や技術資料をまとめて販売しています。

https://www.arib.or.jp/kikaku/index.html

ARIB標準規格は電波法の規定に準拠していますが、必ずしも一致しているわけではないようなので注意してください。

 

またARIBの中でEMCに関わるところとしては、「EMCC 電波環境協議会」あります。

EMCCは毎年会員向けに技術講演会を開催しているほか、非会員にも「EMCCレポート」を公開しています。

EMCCレポートの執筆はおもにCISPRの国際エキスパートが務めており、規格の審議状況などの最新情報を知ることができます。

https://www.emcc-info.net/emcc_reports/emcctop.html

 

会員限定のサービスですが、規格策定の経緯などがわかる「CISPRアーカイブ活動」も面白いです。

 

 

IEEE標準規格

IEEE(アイトリプルイー)はアメリカに本部を置く業界団体です。

無線LANの規格等でよく目にしますね。

 

ここで決められた規格は、デファクトスタンダードとして全世界で適用されます。

ただし、国ごとに若干アレンジされていることもあるので注意が必要です。

 

例えば2.4GHz帯の無線LANでは、チャンネル1~14まで規定されていますが、国によっては周波数の割当の関係上、一部のチャンネルしか使えないことがあります。

 

IEEE標準規格は公式サイトから購入できますが、一部の規格は日本規格協会からも購入できます。

 

 

おわりに

技術的な内容というより、雑多な規格紹介の内容となりましたがいかがでしたでしょうか。

 

技術的な内容に関して、やはりひとつずつ規格書を丁寧に読まなければ理解できませんので一筋縄ではいきません。

とくに電波法は書体が一般の規格書と異なるので、読み解くのが大変です。

慣れが必要ということなのでしょう。

 

電波法にかかわる資格としては「陸上無線技術士」があります。

陸技の試験科目には「法規」があり、そこで電波法の内容について問われます。

法規の試験対策としては、参考書を使用することで効率よく学習できます。

改定を経たことで、内容がかなりわかりやすくなっているようなので、気になる方はチェックしてください。

 

今回は以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

ABOUT ME
エンジャー
EMCやノイズ対策に関する情報発信を日々行っています。 ( iNarte EMC Engineer、第一級陸上無線技術士)

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